Archive for May of 2011

読書 『天空の蜂』

May 17, 2011
毎度、職人さんドットコムです。

ここのところ毎日、東日本大震災でおこった原発問題について報道されています。

この原発問題を絡めた長編サスペンス小説を東野圭吾氏が書いています。

作品名は 『天空の蜂』 。



テロリストが最新の大型ヘリコプターを奪い、遠隔操作によって敦賀の原子力発電所

上空にホバリングさせる。そしてテロリストがある要求をする。その内容とは・・・

『日本にあるすべての原発を今すぐストップすること』。

そして日本政府はどのような対応をするのか。そして国民の反応は・・・。



この小説では原発問題を原発のある地元の人たち、そして直接的な利害関係者だけでなく

電力を使っている間接的な関係者、つまり日本国民にその問題の重要性を問いかけています。

これは今回東日本大震災により、原発問題をより身近に感じるようになったこととよく似ています。

原発問題を意識させる理由がテロなのか天災なのかその違いだけです。



小説の後半では原発問題がある少年の死をひきおこします。 その死を調べていくうちに

少しずつ分かっていくことが。 原発に賛成する人、反対する人それぞれが傷つき苦しんでいることを。

そして原発問題におけるもっとも大きな問題、それは・・・『沈黙する群衆』。

原子力によってつくられる電力を使っているにもかかわらず、原子力におけるリスクに無関心であり

問題意識をもっていない日本国民。この人たちがまさに 『沈黙する群衆』 。



本当によくできた小説です。原子力のリスクを飛行機にたとえて説明しているくだりがある

のですがこれが本当にわかりやすい。

長編なのでかなり時間がかかるかもしれませんが、原発問題が取り上げられている今こそ

読んでおくべき作品だと思います。