今回は現在、ミニシアターで上映されている映画 『クロッシング』 を紹介します。
世界的な映画賞を多く獲得した韓国映画で、北朝鮮の現実をかなりリアルな
感じで描いている作品です。
かつて北朝鮮のサッカー選手として有名だった主人公と病弱な妻、そして純朴な
小学生の少年に、サッカーボールが大好きな犬が織り成す壮絶な悲劇のお話です。
ニュースなどで知る強制収容所、豆満江を渡っての中国への脱北、コッチェビ
(浮浪児)、領事館への駆け込みなどが、ドキュメンタリ映像ではないかと思える
ほどの迫力で迫ってきます。
映画の最初と最後に描かれている幸せそうなわずかなシーン以外は
ほどんどが緊張の連続で、正直救いのあるシーンはありません。
これが隣接する韓国から見えてくる北朝鮮の真の(?)姿なのでしょう。
とにかく辛く、悲しい映画です。これだけ恵まれた日本からほんのすぐ近くに
このような国家が存在することに、いまさらながら驚き、考えさせられます。
韓国軍哨戒船爆破、核開発、拉致被害者の問題などいろいろとありますが、
もっと身近な問題として関心を持つべきなのかもしれません。
ご年配の方が多く観にこられていました。そしてほとんどの人が号泣。
かわいい犬に病弱の妻、初恋の彼女、そして・・・。
やはり思い出しただけでも悲しくなってきます。
映画ではちょっとと言う方は、ぜひ予告編だけでも観てください。
これだけでも結構グッとくるものがありますよ。
